グラミー雑感

グラミー賞ネタをば・・・ここ数年特に毎回荒れてる感があって、ブルーノ・マーズが総なめというのにも、割りと音楽的には肯定的だし「楽しいんだからいいんじゃないの」ってことで済めばいいんだけど、そもそも「グラミー賞ってどうしたら穫れるの?」って答えが無いので厄介なんですよ。
去年は特に「Black Lives Matter」運動を通ってからの「ビヨンセだと思ったらアデルでした」ってので不満噴出で・・・
今年はいわゆる機運の高まりとか去年一年のムーブメントを考えるとケンドリック・ラマーが獲っちゃうってのを常人なら想像してたのでしょうが、カニエ・ウェストかな、エイミー・ワインハウスかなと思わせてからのハービー・ハンコック(2008年)とか、コールドプレイかなアデルかなと思ったら、アリソン・クラウス&ロバート・プラント(2009年)とか過去にも意味不明なセレクションでグラミーは驚かせて来たわけです。

某国技の団体と一緒でやや浮世離れしてる部分があって「社会的な影響力とかメッセージを考えたらどう考えてもケンドリック・ラマーでしょ!」なんていう巷の声は耳に届いてない訳で、そんな感じの微妙な人たちの投票で決まったと思うと無難な感じはします。商業的メジャー性が絶対でもないのが本当に掴み難いですが、何年も見ていると何となく判りますし、あとノミネーション作品との相対的な評価ですね。
前述の明らかにシルバーデモクラシーが勝っちゃった年を考えると多少の集計方法のテコ入れはあるとは思いますが、このシステムの限界だと思いますね。

この記事みたいにBon IverことJustin Vernonさんが「ブルーノ・マーズは反則」的な批判をしてて、まあ言いたいこともは判るんですけどね。それをいい始めたらDuft Punkの年も同じことが言えるんでね。。。

しかし最前列にお呼ばれして一発もかすらずに2年連続返り討ちにあったジェイZとビヨンセ夫妻はほんと気の毒ですね。。。アカデミーといい派手な人が嫌いですよね基本的に、語弊があるけど好かれる立ち位置みたいなのは、ぽわっとあるようで、そこらへんも含めて面倒くさい賞ですが、世の中思い通りにいかないこともあるんだってことですよね。

Tommy Emmanuelの新作に星ひとつを付けたオッサンの言い分

アコギの名手Tommy Emmanuel。去年コットンクラブに来日してたり、その筋ではレジェンドの名手ですが、今週「Accomplice One」という新作をリリースして、早速Spotifyにもアップされてました。

いわゆるゲストを囲んでの・・・というアルバムでJason Isbell、Ricky Skaggs、Jorma Kaukonen、David Grisman、Mark Knopfler、Jerry Douglasとルーツロック/アメリカーナ好きなら食いつきやすいラインナップで、地味ながらも商業的な作品という印象、ジャケもいい感じなんですけど、たまたまみたAMAZONのレビューで、辛口コメントとともに星1を付けてた英語レビュー(たぶんオッサン)があったんで、凄く気になったわけです(笑)

ざっくり訳すと
「私はギターマニアです。近年のトミー・エマニュエルの作品は金儲けのために出してるとしか思えない。
ウィキをみてもここ10年で13枚のうち11枚はライヴ盤、誰かと共演、ホリデイミュージック、アンソロジー・・・」とその後もねちっこく批判してる訳ですが、そこに恒例の「誰かと共演」が新作で出てきた訳です。「これ以上同じような作品を買わせんじゃねえ」みたいな感じの怒りをぶちまけていて、実にエモーショナルな訳ですが、ちゃんと悪口ばっかりだけじゃなくてなかなか愛のあるオチコメントがあります。

私はエマニュエルはライブショー以外の他のことに集中したくないのだと解釈しています。個人的には彼のキャリアの仕事の多くには感銘を受けてないけれど、ソロ・アルバムとソロ・アレンジは素晴らしいものがあります。独創性に欠けた作品が、彼のギター技術や能力を反映している訳ではない。
要約すると、「コラボ盤は駄目だけど、とにかくライヴは必見」ということです。そのような解釈でたぶんいいかと・・・

途中長いなめんどくせーなと思い読んで端折りもしましたが「最後まで読んでくれてありがとう」の一言も含め愛を感じました。割りと大御所になると無難な企画でお茶を濁しがちになるのはよくあるパターンですが、ライヴを見てみないとそのミュージシャンの本質は見えてこないという、そんな感じの話です。次の来日公演あったら行って見ようかなと思いました。

ちなみにそのレビュワーのオススメの動画です20分近いインタビューです

巨大ライブ企業に訴訟で挑んだSongkickの顛末

日本のライブチケッティングに関する問題(最近では主にイコール、ネット転売問題になっていたが・・・)は、巷でもかなり関心が高くて度々盛り上がって、自分もつい「海外のチケット販売の方が柔軟性があるぞ!」とつぶやいたりしがちなんだけど、ことアメリカなどの販売に関してはイベントプロモーターLive Nationとチケット販売会社Ticketmasterのブランドで知られる独占企業にほぼ抑えられています。
海外ライヴ好きにはお馴染みのライブハウスのHouse Of Bluesも、ラジオ局もほぼ独占。
アメリカでライブを見に行くたびに取られるバカ高い手数料も、一時の旅感覚だと気にならないものの、アメリカの音楽好きにとっては非常にムカつくものであることは容易に想像できる。(そういえば昔Perl Jamがチケマスに喧嘩売ったこともありましたね・・・)

そんなLive Nationに独占禁止法で訴訟を仕掛けてたのがコンサート紹介アプリなどで知られるSongKickです。日本で使ってる人がどれだけいるか判らないですが、アプリでSpotifyで聴いているアーティストリストから近場とか、行く予定の都市を登録しておけばコンサートリストが送られてくる、場合によってはそこ経由でチケットも買える。海外に行く時はコンサート情報を調べずに済むので非常に役に立つアプリですが、ここがLive NationとTicketmasterのグループ子会社に、「独占しすぎだろ」と反トラスト法訴訟を起こしていた訳です。

既存のアメリカのコンサートの80%とかチケマスが押さえてるらしいんで、まあ言い分は判りますが、数年前からやってた訴訟が決したそうで、ことの顛末は、結局1.1億ドルの買収で技術資産と特許を全部買い取る形で和解。(チケマス強え!) もともと何で揉めてたかというと、Songkick経由でLive Nationのプレセールを紹介したり、売れてないチケットをさばくことでマージンを貰ったりして儲けるビジネスモデルを邪魔されたというもの。場合によってはチケマスのシステムにタダ乗りしていたのをアクセスブロックしたというもの。これで裁判できるのも凄い話ですが、余りにも独占企業過ぎて嫌われるチケマスというイメージは、今も昔も変わらないようです。検索したらNewsPicksにこんな過去の記事があって、Songkickの功罪についても語られています。

songkickのアプリは既にワーナーグループが買収済で、本来の独占にモノ申すという大義は失われて、結局金を取ったようにも感じられますが、ドライに考えたそれも一つの選択肢なのかもしれません。結局一般ユーザー的には得は無いようなそんな話です。

そもそもブログを再開したいと思った理由

多くの人に漏れず、わたくしも2000年台かなりハイペースでブログ更新をしていたことを思い出したんだけど、一気にやる気がなくなったのはSNSが登場してから。より更新が楽になったのと、音楽を盤で紹介する必要がなくなったのが一つ、情報過多で右から左に流すようになったこともあるかもしれませんね。

今回また「ブログ書きてぇ」となったのは、音声認識が割りと使えるようになって思いついたことをiPadに軽くテキストにメモれるようになった技術革新が一つ。まだまだアーティスト名とか、英語表記とか、口頭で書くのはまだまだ無理があり最終的にはPCでの校正が必要ですけどね・・・あとSpotifyとApple Musicで毎日膨大に聴く時間が多くなってアウトプットを脈絡なくメモリたいという衝動もありまして。シンプルに聴いて良いものを紹介しようかと思っております。

久々の更新

昔書いたブログのアーカイブ用に2年ほど放置していたブログをふと再開したくなった。音楽ストリーミングの視聴環境も整って色々紹介したいものもたえずあるので、メモ的な感じでやってみたいと思います。
音楽中心ですが最近他メディアの裏方で書いてるようなことも気が向いたら書きます。

RIP GM

リアルタイム世代だから多いと思うけど、訃報を聴いて朝からジョージ・マイケルばっかり聴いている。
よくよく考えるとワム!よりもソロになってからのジョージ・マイケルのキャリアの作品は、一度も裏切られなかったというか、多様性の幅を広げてくれたアーティストの一人なんだよね。
当時、世間的に不評だった「Listen Whithout Prejudice Vol.1」は今でもフェイバリットアルバムの一枚だ。「Faith」より、キャッチーでももっと売れるヒット曲てんこ盛りのアルバムを期待されてたのだと思うが、よくよく考えたらそんなもの作るの無理だと判るし、あの境地に行くのが余りも早すぎて理解されなかったという意味では間が悪かったともいえる。彼は時代を一人だけポンと一飛びしてしまったのだ。
この死のタイミングで今年リリース予定だった25周年盤も半年くらい遅れで来年3月にリリースされるので、手のひらを返したように再評価されることは容易に想像できるけど、これでさんざんジョージ・マイケルと揉めたエピックというかソニーが追悼需要で潤うのはどうも納得がいかんな。。。というのが正直なところだ。

来年でソロキャリア30年目になるけど、これだけ才能の塊と言われながら4枚しかアルバムを出してないことに愕然とする。後半の方はスキャンダルで話題になるケースが多かったけれど、アーティストの自由を守るためにレコード会社に楯突いたのとか、後々明かされるセクシャリティの問題も含めて色んなアーティストの一歩前行くというか、人柱になった人のような感じが改めてする。

1987年から1988年を思い出すとマイケル・ジャクソン、ジョージ・マイケル、ホイットニー・ヒューストン、INXSのアルバムを持ってれば3分の1位全米No1が埋まる位こいつらの無双状態だったんだけど、その声の主は全員この世を去ってしまった。

April Fool

20年前位の人に「2015年にレコード好きがアナログ盤欲しさにレコード屋に並んでる」と聞いたら「エイプリルフールのネタかよ」と即答していたでしょうね・・・
パティ・スミスの「エイプリルフール」、気が付いたらもう3年前の作品ですか・・・元恋人のトム・ヴァーレインが参加したことでも話題になったけど、ニコライ・ゴーゴリの誕生日4月1日にかけて書いた曲。

BANDITOSというど直球のロックンロールの新人

ここ最近またBloodshot Recordsの名前を耳にすることが多くなった。といってももはや死語みたいになってるaltカントリーのブームから20年、今日までずっとこのレーベルは殆ど同じことをやってて(1993年開設だからかれこれ22年にもなるのだけど)、最近そんな老舗アメリカーナレーベルから面白い新人のデビュー作がリリースされるというので紹介したいと思う。

「BANDITOS」3月にNPRで一曲ピックアップされて以来、ちらちらと気になっていたのだけど、ナッシュビル出身のバンド。ど直球かつトラディショナルなロックンロールバンドという印象の6人組。男女のフロント・ヴォーカルとか含め色々と時代錯誤的な雰囲気もあるのだけど軽快なブギーナンバーの「Cry Baby Cry」とか、女性ヴォーカリストががなるように歌うスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの「I Put A Spell On You」のビデオ映像とからYouTubeを掘り返してたら面白いのが出て来た。

先日のSXSWでも話題になっていたし、5月12日発売のセルフタイトルのアルバムも楽しみです。ジャケットがいきなりアメリカン・フラッグっというセンスからも察するものがあります。
アラバマ・シェイクスが出て来た時にも「クラシックロックと比べての小物感・・・」的なくだらない突っ込みがチラホラ見受けられたんだけど、普通に酒飲んでイエイ!みたいなバンドにそこまで考える必要がないかと思っております。意外にきっちりとしたルーツ観をもってそうなのでそこらへんも含め期待したいところです。

https://www.bloodshotrecords.com/album/banditos

Michael KiwanukaのZepカヴァー「Ten Years Gone」

Michael Kiwanuka(マイケル・キワヌカ)がレッド・ツェッペリンの「Ten Years Gone」のカヴァーをネット上に公開。『フィジカル・グラフィティ』のリーシューもでたばっかりだしインスピレーションが沸いたものと思われます。これは「MOJO」の最新号用の素材ですね(まだ買ってない)。この件についてのインタビューもあるので後ほどざっくり訳します。

Dylanの「Shadows in the Night」のVol2が出るかも

あくまで「ラノワの証言」から、という話ですがボブ・ディランの新作カヴァーアルバムの続編がもう一枚でるのでは?という話が浮上しているようです。

ネタ元はダニエル・ラノワのインタビュー、ラノワとディランがリリース前の録音をリスニングパーティーをしたという話ですが、そのとき聴いた21曲の録音のうちの10曲しかリリースされなかったという話で「実はもう一枚出すつもりだろ」という、発売云々に関してはどこまで真実だろうかという気もしますが、そういう事実があるということです。

「Shadows in the Night」はリリースしてから今年頻繁に聴いてる一枚なのですが、俗にいう「ディラン・シナトラを歌う」的な単純なカバー集というよりも、2000年代中半からのディランのライヴ演奏の変化とか、並走するように「theme time radio hour」のDJ稼業で発揮された選曲などで聴かれた幅広いポピュラー音楽の選曲などを追ってると出るべくして出た素晴らしく醸成されたアウトプットという印象。クリスマスアルバムといいこのカヴァーといい結構否定する方も時折見受けられますけど、進行形のディランという解釈の中ではとっても自然な一枚だと思います。

Bob Dylan Reportedly May Release a Second Volume of ‘Shadows in the Night’
Daniel Lanois confirms more Sinatra coming from Bob Dylan: ‘A sacred ground for him’